化粧品及び医薬部外品の広告表現について
委員会:
化粧品・医薬部外品進捗:
進展なし
作成日:
化粧品の効能は、2000年の通知「化粧品の効能の範囲の改正について」において化粧品に該当する55の効能が定められた。2011年には、「乾燥による小ジワを目立たなくする」の効能が追加された。しかしながら、日本における効能表現の範囲は、ヨーロッパに比べ未だに狭く、最新の研究と技術に基づいた輸入化粧品の日本市場への参入を阻む要因ともなりかねない。
一方、効能の拡大のために日本香粧品学会・日本化粧品工業連合会は紫外線による「光老化」の予防効能に取り組んでいる。近年、健康長寿社会の実現に向けて、セルフケア・セルフメディケーションの推進が求められている。アトピー肌の保湿ケアや、皮膚がん予防のための日焼け止め製品の使用等、化粧品や医薬部外品による日常的なケアは、健康維持や生活の質の向上、疾病予防やそれによる医療費抑制に寄与するために重要な役割を担っているが、現在の広告規制では、その重要性を訴求することが認められていない。
また、「効能効果に関する体験談の例示」は、客観的裏付けとはなりえず、かえって消費者に対し効能効果等または安全性について誤解を与えるおそれがあるため行ってはならないとされており、内容が事実であっても、また認められた効能効果の範囲内であっても認められていない。どのような製品であれ消費者が商品選択にあたり実際の使用者の声を参考にするのは、現代の1つのスタンダードとなっている。さらに、昨今のパンデミック下においては、店頭での対面販売や実際の製品の試用が困難となっていることや、通販利用者の著しい増加も考慮し、使用経験者の意見は消費者にとってますます重要な情報となってきている。化粧品の広告で使用者の体験談を掲載することが可能となれば、消費者の需要の多様化に対応し、消費者への幅広い情報伝達が可能となる。
提案
- 化粧品及び医薬部外品を使用した日常的ケアによる健康維持や疾病予防などの役割も訴求できるよう、広告表現の規制を緩和するべきである。
- 化粧品の効能効果に関する体験談であっても、事実であり化粧品に認められた効能効果の範囲内であれば、この手法を用いた広告を可能とするべきである。