デマンドレスポンス

進捗:
進展
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東日本大震災以降、供給力が不足する中、デマンドレスポンス(DR)が事業化に向かって進んでいる。4年間の実証事業を経て、2016年度からTDSOによる積立金の均衡公募として、2024年度以降、OCCTOが運営する容量市場に派遣可能なピーク資源として移行している。また、昨今の世界的なエネルギー危機・燃料費高騰に伴う卸電力市場(JEPX)からの価格シグナルの頻発、さらには再エネ導入拡大に伴い需給調整市場における調整力の取引が活発化し、今日複数の市場において需要側リソースのニーズが高まっている。 日本国政府は、DRが市場メカニズムに統合されるシステムの設計に取り組んできたが、DRアグリゲータ間の活発な競争と需給逼迫状況下での運用により、一定のノウハウが蓄積されてきた。その結果、DRの有効性は一般に広く知られるようになった。2022年度から施行された電気事業法において、「特定卸供給事業者」としてのアグリゲーターの法的状況が明確化されたところである。直近では、足元の需給緩和対策として対価型ディマンド・リスポンスの更なる拡大の方向性がGX実効会議にて示されたところである。

提案

  • 各種制度に対して需要家の納得感・予見性・連続性を確保できる、需要家ファーストの制度設計をお願いしたい。
  • 各種市場において価格シグナルがもたらす経済合理性に基づき、事業者・需要家それぞれがDR参加の意思決定を行えるような制度を設計いただきたい。
  • 欧州Clean Energy Packageにも示されているとおり、小売事業者のみならずDR専業の独立系アグリゲーターも円滑にDRの運用に取り組めるような制度設計・市場ルールの整備をお願いしたい。
  • 最後に、2050年CN達成に向けて、DRのみならず蓄電池・太陽光・EVをはじめとするクリーンなゼロエミ分散型電源が各種市場に参加に出来るよう機器点計量の早期導入をご検討いただきたい。