労働市場規制、職場の柔軟性、及びデジタル化
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グローバル化が進む世界において、日本の将来の繁栄は、高齢化する人口を支え、経済を牽引する高度に熟練し、多様で競争力のある労働力を確保することにかかっている。その鍵となるのは、現在、そしてCOVID-19以降の世界において、より柔軟な働き方、労働力への女性の参加の拡大、外国人労働者の新たな調達方法、自動化されたプロセスの利用、意味のある適切な人工知能の活用を可能にする継続的な政策である。EBCは、日本政府に対し、職場におけるより大きな生産性向上と、従業員と雇用主双方にとっての柔軟性の改善に重点を置くことを強く求める。
提案
- 企業に対し、これを支援するための政府のガイドラインを提供することにより、COVID-19の期間中及びそれ以降において、より多くの従業員が、在宅勤務を含む柔軟な働き方を利用できるような政策を策定するよう奨励する。成果よりも物理的な存在を重視する職場文化を克服することが、主要な重点分野である。
- 実力と実績に基づく競争的な労働人口の創出を奨励する法を導入する。従業員の適切な保護は必要であるが、使用者はまた、一部の労働者の雇用を解除するための法的枠組みを必要とする。また、影響を受ける労働者への補償方法について明確な規則を設けた制度についても同様に適用する。
- 労働争議の法廷手続きを迅速化するための法律を導入する。長い法廷手続きは法的不確実性を招き、企業投資を鈍化させる。決定を加速させるための法廷手続きをデジタル化する日本政府の努力は、大いに歓迎する。
- 労働力の利益と幸福を考慮しつつ、デジタル化とAIを日常業務に組み込むことを含め、職場の生産性向上に資する技術の普及を引き続き積極的に推進する。
- 女性の労働への積極参加、男性の家庭における活動への参加を支援するため、十分な保育施設を確保することにより、ワーク・ライフ・バランスを支援するために必要なインフラを増強し、改善する。働く親のパートタイム労働のさらなる推進。
- 公立の保育所に提供されるものに準じた財政支援を企業に提供することによって、企業が保育施設を設けることを奨励する。
- 配偶者特別控除を廃止する。
- 日本の政府と大学は、企業のニーズの変化を踏まえ、学生のうちに職務経験を取り入れるためのインターンシップや大学生の職業プログラムを推進すべきである。EBCは、ドイツのデュアル職業教育訓練「VET」プログラムの事例など、欧州での経験を共有することにより、政府の取り組みを支援する意向である。
- 「高度技能職制度」を、従業員権利の適切な保護を保ちつつ、現行制度よりも低い収入しか得られない従業員にまで拡大するために労働法を改正する。高いスキルと高いモチベーションを持つ人材は、労働時間ではなく、アウトプットに基づいて仕事をしたいと考えている。