送配電

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日本の送電網は発電設備を中心に構成され、基幹送電は500kVである。50Hz 系統と60Hz系統を連系している周波数変換所(FC)は、限られた付加的容量しか提供しない。この様な一般電気事業者間の限られた連系容量は、安定供給にとって重大なリスクとなりうる。対照的に欧米の送電網は、高圧直流送電(HVDC)の使用に関する広範な計画を設けており、これにより地域間のエネルギーの流れに一層柔軟性を持たせ、系統への再生可能エネルギーの大規模統合を可能にするとともに、海中または陸上による長距離ケーブル接続を可能にする。電力広域的運営推進機関(OCCTO)は、全国マスタープランを設計することにより、ネットワークバランスを確保している。北海道と東京をHVDC海中ケーブルでつなぐ議論が続いていることは心強い。

提案

  • 2020年4月の法的分離は、より広い系統連系に基づく安定供給と公正な市場メカニズムを確保する規制を実施し、送配電事業者(TDSO)のさらなる独立性を確保するために、所有権の拡大または経営分離を検討すべきである。
  • 日本は、オーストラリア、中東、南米で実施されているプロセスを検討し、新たなHVDC国内リンクに特化した国際入札を実施することができる。国際的な入札により、海外の専門知識や資金が国内に流入することで、これらの大規模で複雑なHVDC伝送プロジェクトの開発が加速・促進されることになるが、北海道や九州で生産される次期再生可能エネルギーの送電網の強化や避難が不可避である。日本は、外国投資への開放と、戦略的資産を中心とした国家利益の確保を容易に組み合わせることができる。そのためには、保護措置(出資比率制限、現地のコンテンツ要件、サイバーセキュリティ規則、設計・運転・保守段階への一般電気事業者の義務的関与など)が整備されなければならない。
  • 日本は、TDSO間の連系容量を増やし、より公正な電力取引を実現し、論理的で合理的な意思決定のためにTDSO事業統合奨励するなど、より取り組むべきである。
  • TDSO は、各社の要求仕様を統合し、製品及びシステムの欧州基準を採用するなど、コスト効率を高めるために規格のさらなる整合化を検討すべきである。