動物実験代替法

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日本の化粧品業界にとって、薬事申請への動物実験代替法の活用促進は重要な課題である。しかしながら、2023年以降は、薬事申請に利用できる動物実験代替法に関する新たなガイダンスは発出されていない。また、既存の動物実験代替法に関するガイダンスであってもその適用範囲が限られている試験方法もあり、欧州で汎用されている化粧品成分を日本に導入することのハードルは依然として高い。2023年に、化粧品の安全性に関する国際協力の取り組み(International Collaboration on Cosmetics Safety: ICCS)が発足し、動物試験に依存しない次世代リスク評価(Next Generation Risk Assessment:NGRA)の導入を推進することに重点を置いた積極的な活動が行われている。しかしながら、日本の規制当局におけるNGRAや新たな安全性評価方法(New Approach Methodologies:NAMs)の理解や将来的な行政利用に向けた議論は、まだごく初期の段階にとどまっている。

提案

  • 日本の規制当局は、化粧品の安全性評価の考え方が国際的に大きな変革が求められているという現状を踏まえ、薬事申請におけるNAMsを含めた動物実験代替のより積極的な活用を進めるとともに、化粧品のイノベーションを支援すべく、動物実験に依存しない健全な科学に基づく安全性リスク評価法の将来的な普及と行政利用に向けた取り組みを推進すべきである。