サステナビリティ・CSR

2015年、COP21においてパリ協定が採択されたのと同じ年、国連は「2030アジェンダ」を策定し、17の持続可能な開発目標-SDGs-を通じて、持続可能な社会という世界共通のビジョンを定義した。日本は、速やかにSDGsの枠組みを採択、首相の権限の下に国家委員会を設置、国連の枠組みを活用した様々なイニシアティブを開始し、自国の意識向上を図っている。

2015年、2030アジェンダに向けた各国の進展状況では、日本は13位にランクイン。以来、年々落ち込み、ポーランドやラトビアなどの国々に追いこされ、現在は19位にランクインしている。この順位の下で、日本はジェンダー平等(SDG 5)、責任ある消費と生産(SDG 12)、気候変動対策(SDG 13)、生物多様性(SDGs 14と15)に大きな課題があると考えられている。

SDGsの枠組みは日本で広く認知されている。その17のロゴは、子どもたちを教育するための絵本から、持続可能な製品やサービスのイメージを伝えようとするコマーシャルまで、さまざまな文脈で使用されている。しかし、企業や政府機関がこれらの目標について公に宣伝をするだけで、実際は十分な支援や、日本の持続可能な変革への貢献は限定的なのではないか、という懸念もある。国連は、日本の教育とインフラの進展を認識しているが、他の問題は、十分な公共政策や民間主導では解決されておらず、日本の社会と経済に深く根ざしているように思われる。ジェンダー平等はその一つであり、世界経済フォーラムの2022年ジェンダーギャップ報告書では、日本は146カ国中116位である。

気候変動対策は、持続可能な開発目標における日本のもう一つの主要な課題である。日本は2050年までにカーボンニュートラルを目指すが、この野心を具体的な行動計画に変換する必要がある。様々な研究結果から、国際NGOは、脱炭素化に関する日本の遅れた状況を指摘している。2022年9月、世界の気候非営利CDPの調査によると、2100年までに気温上昇を1.5℃までに制限するというパリ協定の目標を大幅に上回る、2.8℃の温暖化経路を日本企業は辿っていることが示された。G7諸国の中では、他にカナダだけが3.1℃の軌跡でパフォーマンスが悪化している。

日本がパリ協定の実現への貢献が足りないと問題視される中、化石燃料-特に石炭-への依存については、国際的なオブザーバーから批判されることが多い課題だ。また、ヨーロッパをはじめとする一部の海外投資家も、日本企業の低炭素移行計画の弱点に対する懸念を表明し始めている。

EBCは、日本がSDGsの枠組みをコミュニケーション・ツールとして広く一般に採用するのみならず、2030アジェンダの精神に沿った真に変革的な政策やビジネス・イニシアティブに変えていくことを奨励する。この目標を達成するためには、欧州企業が使用または開発した方法論、ツール、技術を輸入して適応させること、ならびに欧州の政策立案者が定めた規制への関心をたかめることが、日本の持続可能性と社会的責任計画を改善し、日本とEUがともにグリーンかつ包括的な経済に向けて前進する中で、基準を調和させるために正しい方向へと投資を促進する方法になり得るだろう。

主要な問題および提案

EBC白書に対するサステナビリティ・CSR委員会の最初の貢献として、委員会メンバーから見た日本の問題への評価に範囲が限定されている。

委員会は、日本がジェンダー平等、責任ある消費と生産、気候行動を優先して努力を増やすべきであると考えている。日本はまた、持続可能性に対する全体的なアプローチを改善し、目標設定から行動に移すべきである。

委員会ミーティングスケジュール

会議の開催場所については、 EBC ( ebc@ebc-jp.com) にお問い合わせください。

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