産業用材料

日本は、産業用材料の加工およびリサイクル面の幅広い知識と専門技術を持っており、ハイブリッド車用の充電式バッテリーの製造に用いられる技術や、半導体製造向けのナノテクノロジー、環境技術に関連した製品といった多数の技術の最先端に位置している。

こうした先進技術は、主要原材料の入手可能性と、安定した質の高い供給を確保する日本の能力にかかっている。したがって日本が、競争価格での供給の確保を基本に据えた戦略を採用することが何よりも重要であり、これは、海外供給者に国内市場への無制限のアクセスを認めることによってのみ達成できる。

EU・日本経済連携協定により、産業用材料分野の関税が撤廃された。これは、欧州の供給業者に日本市場における競争力をもたらすであろう。さらに、より安い価格で主要な産業用材料を調達できる日本の産業に弾みをつけることになる。とはいえ、多くの欧州企業は世界的なプレゼンスを有しており、すべての生産がEU内で行われているわけではないため、すべての輸入品が関税撤廃の恩恵を受けるわけではない。

化学物質は通常、経済産業省(経産省)の管轄であり、経産省は、化学物質を規制する規則を整合化する任務に取り組んでいる。しかし数年前、厚生労働省(厚労省)は、取り扱う人に害をもたらしうる化学製品の表示方法についての検討を開始した。あいにく、厚労省の作業は孤立した形で行われたようで、2016年7月1日に施行された同省の新しい制度は論理性を欠いている。一例を挙げれば、日本で登録されていない製品の場合、たとえCAS(Chemical Abstract Service)登録番号を有していても、厚労省の警告表示ラベルは製品の(最終物質よりむしろ)化学成分か、または日本ですでに登録されている最も類似した物質のいずれかに基づくため、今や有害と表示されかねない。さらに、REACH(化学物質登録評価許可規制)に基づいて欧州で実施された試験の結果を用いることができるのかどうかが依然不明確である。

厚労省のやり方が提起する問題の一例は、アルミナ(CAS 1344-28-1)を含んだ欧州のセメントに関係している。厚労省のリストによると、アルミナを1%超含むあらゆる製品は、どう取り扱うべきかを警告する表示がなければならない。この物質(CAS 1344-28-1)は、欧州では有害と見なされてもいなければ、有害物質として登録されてもいないことから、問題が生じる。結果として、同じ製品がいくつもの不均一な表示、絵文字製品の安全性について、不要な疑念や混乱を生み出す。

高度な産業用材料、部品、最終製品の製造に続いて、日本の産業は、産業副産物の着実な増加と、使用済み製品の将来的な増加をもたらしている(これらの中には、バーゼル制度のもとでは有害廃棄物として、また日本の制度では「廃棄物」として考えられているものもある)。これらの副産物や使用済み物体には、多くの場合非鉄金属(貴金属、技術メタル)が含まれており、その中には産業にとって重要と考えられるものもある。したがって、これらの主要金属を回収することは、日本産業にとって重要であり、同時に、わが国において循環的な経済活動を実施する上で重要である。

しかし、世界に通用する施設で廃棄物の出荷と処理が当局によって困難にされている場合、ループを完全に閉じることは不可能である。これらの金属の回収は、日本では技術が手に入らない、日本ではリサイクル能力が十分でない、日本ではリサイクルの経済性が欧州では日本の顧客の恩恵のためにリサイクルがあまり有利でないなど、必ずしも日本で行うことはできない。

ちなみに、この分野の持続可能性の問題は、ここ数年で劇的な変化を経験している。菅首相による日本の2050年カーボン・ニュートラルの宣言を受け、現在、金属業界の多くの企業がこれをどのように支えるかを検討している。欧州企業数社はすでに、政策だけでなく実際の行動も導入している。EBC産業用材料委員会にとって、地球の将来が危機にさらされている今こそ、これは非常に重要な課題である。

主要な問題および提案

委員長

Mr. Eduard Gabric
President & Representative Director, VDM Metals Japan K.K.
Daido Seimei Kasumigaseki Bldg. 7F.
1-4-2 Kasumigaseki
Chiyoda-ku, Tokyo 100-0013
Tel: +81-3-6205-4341
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委員会ミーティングスケジュール

会議の開催場所については、 EBC ( ebc@ebc-jp.com) にお問い合わせください。

2022年
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