自動車

2020年の国内自動車市場を振り返ると、国内新車販売台数全体(登録車および軽自動車)は、459万8,615台(前年比11.5%減)であった。

2020年の欧州車を主とする外国ブランド四輪車の販売実績は、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の発生・拡大の影響により、25万6,096台(前年度比14.5%減)となった。また、日本メーカー車を含む輸入車全体の年間実績は、31万7,933台(前年比8.7%減)となった。月別の内訳としては、国内の自動車販売全体が大きく落ち込む中、輸入車の販売台数も5月を底に大幅な減少を記録したが、6月以降は回復基調が継続した。また、10月~12月では、一部のブランドでは、単月販売台数の過去最高記録を更新するなど、大幅に改善した。

2021年は回復基調であるものの、引き続き新型コロナウィルス感染症拡大の影響が懸念要因となっている。また、世界的な半導体不足による生産への影響も徐々に表面化しており、日本の四輪自動車販売にとっても大きなリスクである。 日本は昨年12月、グリーン社会の実現に向けて2050年までにカーボンニュートラルを実現するためのグリーン成長戦略を発表し、2021年1月には2035年までに新車販売について100%電動化する政策を掲げ、また、4月には温室効果ガスの2030年までの削減目標を現行の対2013年比26%削減から46%削減に引き上げることを宣言した。このような激変する市場環境において、EBC自動車委員会は、電気自動車(EV)やプラグインハイブリット自動車(PHEV)などの加速的な導入を始め、先進の安全・環境技術を搭載した新モデルの投入を続けるが、日本政府には目標とするカーボンニュートラルの実現のためにエネルギーセクターにおける再生可能エネルギーの導入加速とEV/PHEVの普及のための量・質の両面の更なる充電インフラの拡充、対応する車両・インフラへの税制や補助金制度の継続、拡充、またカーボンニュートラルを促進する各種規制緩和や基準の見直しも要望する。

さらに、EBC自動車委員会はCOVID-19による緊急事態宣言中、緊急事態収拾後の政府によるグリーン成長戦略をベースとした自動車産業を含む経済再生への政策継続や人々の安全と健康を確保した上で、国際的な人の移動制限および入国禁止の緩和を可及的速やかに進めることに期待している。

安全・基準調和の課題に関して、EBC 自動車委員会は、NTMの完全撤廃と「完全なIWVTA(International Whole Vehicle Type Approval)」の実現をこれまで最重要課題の一つとして継続活動を行ってきた。その大きなマイルストーンとして2019年2月1日、日EU経済連携協定(EPA)が発効した。EBC自動車委員会は、すべての関係当事者の尽力と貢献を高く評価、感謝する。日EU EPAは、保護主義が台頭し、多国間貿易がますます脅威にさらされるなかにあって、EUと日本双方が国際ビジネスに対してオープンな姿勢を保っていることを世界に知らしめる重要な成果である。一方で、今後、重要なのは日EU-EPAでの合意内容が確実に履行されることであり、2年が経過したところであるが、改めて、EBC自動車委員会は関係当事者と履行状況についてレビューを継続してゆく。更に、本協定合意の過程で積み残された日本の独自基準など非関税措置(NTM)が未だ存在しており、依然として乗用車、商用車双方の欧州車輸入事業者にとってビジネス上のリスク・追加コスト要因となっている。EBC 自動車委員会は、国際基準・規則の調和を求めて、NTMの完全撤廃と「完全なIWVTA(International Whole Vehicle Type Approval)」の実現の要望を継続する。

自動運転技術の導入が加速する日本においては2019年、世界に先駆けて自動運転の高速道路でのレベル3、地域限定のレベル4に関する法令が整備され、2020年4月1日より施行され、2021年3月、世界初の市販車が発売された。さらに、サイバーセキュリティー(CS)、ソフトウェアアップデート(SU)のUN新規則(R155/156)を取込み、2022年7月に適用されることとなり、2020年11月以降、使用過程車にも「特定改造等の許可制度」として適用されることとなった。 これらの基準は車両だけでなく組織も含めた前例のない規則であり、組織の要件は協定規則上、相互承認対象外とされており、追加的なコストが発生する可能性がある。EBC自動車委員会は、自動運転を始めとする各種法令が「自動車基準調和世界フォーラム(WP29)」での議論に沿って国際規則に調和したものとなるよう引き続き要望する。

基準調和に加えて、税制は市場開放における重要な役割を果たすものである。日本では2020年、2030年度乗用車燃費基準をベースとする大規模な税制改正が行われ、税制上の優遇を受けるためにはさらに燃費性能に優れた製品の導入が求められることになった。 一方で、次世代自動車としてこれまで定義されてきたFCV/EV/PHEVはこれまで通り、最大限の免税、減税を受けうるほか、クリーンディーゼル車には2年間の激変緩和措置が設けられた。新たな駆動技術への移行を更に円滑なものにするため、環境性能に優れ、欧州からの輸入車の約30%を占めるクリーンディーゼル車に対する税制改正内容を、EBC自動車委員会は賞賛したい。ただし、他国に比べて複雑で、かつ、重課となっている自動車関連諸税について引き続き、更なるユーザー負担の軽減、を求めてゆきたい。

EBC自動車委員会は、真に公正で開かれた市場を実現するというEUと日本の目標を引き続き支持する。

主要な問題および提案

委員長

Mr. Christian Wiedmann
President and CEO
BMW Group Japan
GranTokyo South Tower
1-9-2 Marunouchi
Chiyoda-ku, Tokyo 100-6622
Tel: +81-3-6259-8000
Fax: +81-3-6259-8008

委員会ミーティングスケジュール

会議の開催場所については、 EBC ( ebc@ebc-jp.com) にお問い合わせください。

2022年
日付時間場所
TBC