保険

COVID19以降、社会・経済活動は正常化しているが、社会が直面するリスクはCOVID19以降、より複雑で予測不可能なものとなっている。このため、保険商品の価値や保険会社の役割は急速に重要性を増している。

近年、日本の当局は、国内保険市場に関する法規をグローバル・スタンダードと徐々に整合化させてきた。しかしながら、日本の外資系保険会社は依然、事業の効率的な発展を制限する障壁に直面している。例えば、国際的な規範と整合的でない準備金例支払能力規制、製品承認手続の改善、銀行を通じた保険販売の制限などが挙げられる。日本における今後の保険市場の成長は高齢化からもたらされ、この高齢化によって、定年後の生活の長期化、家族構成の変化、医療の需要拡大に対応する商品ニーズが高まる。EBCは金融庁に対し、消費者のニーズを満たすことのできる、真にオープンで競争的な保険市場を促進するよう要望する。

保険資本基準(ICS)は、Internationally Active Insurance Groups(IAIGs)を監督するための国際的なソルベンシー規制の枠組みである。IAIS (国際保険監督者協会)は、保険グループがIAIGとして特定されるための基準を規定している。IAISは、「グローバル・リスクの加速は、IAIGsのグループ支払能力に関する監督上の議論のための共通言語の重要性を示す」述べている。さらに「IAISは、2024年までに、監督当局が実施することに適したICSを提供することを約束している」とし、ICSの枠組み、基準、計算方法は、2024年に完成する。EBCは、金融庁が2025年までに国際資本基準の正当な枠組みを実施するにあたり、引き続き主導的な役割を果たすことを評価する。

EBCは、金融庁が、顧客の製品・サービスに対する理解が完全に確保され、顧客が負担するコストが明確に説明される受託者責任のもとで、保険会社が自社の製品・サービスを宣伝することを支持し、指示することを高く評価している。

金融庁は、手続きの効率化と職員の増員の両方を通じて承認手続の迅速化に取り組んできたとはいえ、標準商品のより迅速な承認のためには、「届出制」を導入すべきであるとEBCは今なお確信している。これは、金融庁がより高度な商品に注力するようリソースを割けることにつながるだろう。 

金融庁による原則に基づく規制案推進の下で、EBCは、デジタル化のような消費者のニーズや技術の進展に重点を置いた、当局によるより柔軟なアプローチを高く評価している。EBCは、金融庁がデジタル化の推進に前向きであり、デジタル社会の実現に向けた環境整備へのコミットメントを確認していることを高く評価する。EBCは、このテーマについて金融庁と緊密に協力して取り組むことを期待している。

これと平行して、金融庁は、消費者の個人的ニーズに的を絞った、より便利な販売チャネルへのアクセス向上を目指して、消費者からの需要増大に応えるため、リスクベースのアプローチに基づく販売慣行の規制緩和を加速すべきであるとEBCは確信する。これは、国内の金融サービス業界や日本の消費者にも、また対日投資を維持する日本の能力にもプラスとなるだろう。

主要な問題および提案

委員長

Mr. Nicolas Sauvage
Representative Director and CEO
Credit Agricole Life Insurance Company Japan Ltd.
Shiodome Sumitomo Bldg. 15F.
1-9-2 Higashi-Shimbashi
Minato-ku, Tokyo 105-0021
Tel: +81-3-4590-8476
Fax: +81-3-4590-8401

委員会ミーティングスケジュール

会議の開催場所については、 EBC ([email protected]) にお問い合わせください。

日付時間場所
2025年
3月27日(木)08:00~hybrid
6月19日(木)08:00~hybrid
10月24日(金)08:00~hybrid