2020年10月からロタウイルスワクチン定期接種が開始された。おたふくかぜワクチンは、依然として任意接種のままである。また、その他のギャップとして、厚生労働省より開発要請を受けた「開発優先度の高いワクチン」の中で、帯状疱疹ワクチンは上市されたが定期接種化の議論は滞っており、MMRワクチン(おたふくかぜ・麻疹・風疹の三種混合)や、五種、六種混合ワクチン(DTaP-IPV四種混合ワクチンにB型肝炎ワクチンやヒブワクチンを加えたワクチン)、高用量インフルエンザワクチンは国内未導入である。EFPIAワクチン部会は、これらのワクチンの早期導入と定期接種化実現のために、レギュレーションや政策関連の障壁を減らす活動と同時にLife Course Immunization(生涯を通じた予防接種)を強力に推進している。
一方で、世界的Covid-19パンデミックが国内で5類感染症に格下げされた事もあり、定期接種化の審議、業界団体との協議等ルーチンで行うべき作業が一時的に再開した。これまでワクチン関連業界4団体で訴えてきた課題に追加し、「予防接種に関する基本的な計画」の見直しの中で、定期接種と任意接種の違い、定期接種の分類(A/B)、接種の努力義務など国民にとって難解な予防接種政策の見直しを訴える厚生労働省審議会の多くの委員から発言があった。
予防接種に関する基本的な計画は、2023年度内に見直される予定であり、EFPIAは他団体との連携により、国の関係者や関係当局に働きかけを強化して実現を目指す。
感染症予防に対して国民の意識が高まる中、季節性インフルエンザや高齢者肺炎球菌など高齢者の予防接種はコロナ禍以前よりも接種率が上がった。Life Course Immunizationの普及の根幹をなす、医療従事者と被接種者の間で行われる十分なコミュニケーションが益々重要になってきている。ワクチンに対する理解や安心して接種できるような環境の提供、医療機関での感染防止対策を周知することに加え、医療従事者が被接種者との相互コミュニケーションをリードするためのガイダンスの必要性が言及され、2020年にEFPIA Japanはアカデミアのアドバイザリーボードとこの作成に全面的な協力を行うことで合意した。EFPIAワクチン部会ではLife Course Immunizationの普及を進めるための足掛かりとして「ワクチン接種におけるコミュニケーションガイダンス」を2021年に初版、2022年に第二版を公開し、各学会の協力を得ながらその普及に努めている。
今回の予防接種に関する基本的な計画の見直しでは、定期接種A類・B類等にかかわる制度上の検討は着手されない中での議論が進んでおり、厚生労働省は業界4団体協議の次テーマとして、業界団体からは、定期接種化の予見性の向上、開発優先度の高いワクチンの取り扱い、厚生労働省からは予防接種履歴のデジタル化、ワクチンの安定供給に関するガイドラインの策定について互いに申し入れて合意し、一部議論が進んでいるテーマもある。EFPIAとしては、PhRMAとともにグローバル企業の視点から上記4点に関する意見交換を行い、4団体として意見がまとまらない場合は外資系業界団体として協力のもと意見を述べる準備がある。
主要な問題および提案
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作成日:
開発優先度の高いワクチンの開発促進と定期接種化の議論の早期化
進捗:
進展 -
作成日:
国家検定プロセスの更なる改善と規制要件の国際調和
進捗:
進展 -
作成日:
成人高齢者予防接種普及のための啓発活動
進捗:
進展
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