物流・貨物輸送

コロナウィルスは物流部門に非常に不安定な状況を作り出した。各国間の境界は閉鎖され、製造工場は閉鎖され、全体的な移動の減少はその影響を受けている。残念ながら、貿易の数字はすべて同じ方向を向いており、これは現時点ではほとんど変化しないことを示している。同時に、新しい現実に対処するために消費者のパターンが変化しているため、Business to Consumer (B2C)の デリバリーに対する需要が長期的に増えている。こうすることで、物流や貨物輸送の産業が圧倒的な緊張にさらされることになる。

このような状況の中で、自動車産業への出入りを問わず、国が社会を機能させるために不可欠な物資、物資が円滑に流れるよう全力を尽くすことが大切である。必要なのは、明確なガイドラインと、諸外国とのより良い整合性である。また、必要な予防措置を講じながら、港や空港を開けたままにしておく必要がある。

欧州の物流、貨物事業者は、世界規模の物流事業へのアクセスの恩恵を消費者にもたらす。ここ2、3年、電子商取引と宅配が飛躍的に拡大するなか、これはなお一層顕著になっている。今後、この傾向が後退する兆しはなく、物流・貨物輸送業界の企業は苦闘している。これは、規制上の観点からも、また、労働力の不足や不十分なデジタル化に起因しても言えることである。企業はさらに、日本の高いコストや不十分なインフラ、非常に混雑した港湾、柔軟性に欠ける通関手続きに苦闘している。また、国内貨物運送事業に従事する外資系企業に対する時代遅れの制限や、同じサービスを提供している業者に適用される規則・規制の格差によって引き起こされる不当競争にも対処しなければならず、これらは結局、非効率さやユーザーへの料金上昇につながる。EBCは最近の政府の取組を高く評価するとともに政府が正しい方向に向かっていると確信している。しかし、日本が地域貿易にとっての有望な物流ハブとなることを政府が真に望むのなら、政府は今や、すべてのステークホルダーを考慮に入れて、適切な規制とインフラの整備を確保しなければならない。

EPAの発効に伴い、物流分野は日・EU間の貿易を促進し、今後も円滑化していくため、さらに重要性を増している。しかし、この貿易がその潜在力を最大限に発揮するためには、税関当局等が協定に反する措置を導入せず、日・EUビジネスを一層拡大するためのビジネスを支援することが重要である。さらに、EU加盟国又は日本の関税地域産品が輸入される際に、同協定が一貫した形で、独立した形で適用されることを確実にする必要がある。

企業は、日本における認定通関業者(AEO)コンセプトの導入により、請け負うべき輸送および通関プロセスの多くが簡素化されることを期待していた。残念ながら、この新しい制度は当て外れとなっている。新しい制度は、プロセスを合理化するどころか、AEO認定のための管理業務増大やコンプライアンス要件によって企業に負担をかけてきた。EBCは、AEOコンセプトが最初に提示されたときに提案されたものに似た、一層の簡素化を導入すべきであると確信している。

最後に、国交省は日本のビジネス・インフラ全体の改善を目指した改革を導入したが、海運サービスにおける課題を解決するにはやるべきことがまだある。日本のコンテナ・ターミナル開発に取り組もうとしているのは中央政府よりむしろ地方自治体であるため、期待される規模の経済と効率の達成は困難なままだろう。データによれば、我が国の港湾活動は減少傾向にあり、例えば、神戸港は、1980年には4位であったが、2015年には59位に転落した。2017年のコンテナ輸送実績では、東京・横浜両港は世界で33位にランクインしたのみである。日本が活気ある海運国であり続けることを望むのなら、構造の改善が是が非でも必要である。

主要な問題および提案

委員長

Mr. Robert Olson
Customs and Trade | Director, PricewaterhouseCoopers WMS Pte. Ltd.
Otemachi One Tower
1-2-1 Otemachi
Chiyoda-ku, Tokyo 100-0004
Tel: +81-3-6257-0600

委員会ミーティングスケジュール

会議の開催場所については、 EBC ([email protected]) にお問い合わせください。

日付時間場所
2025年