防衛・安全保障

ウクライナ紛争が2022年2月に始まって以来、日本は本紛争がインド太平洋地域に及ぼす持続的な影響を強調しており、そのことは2022年版防衛白書においても明示されている。侵略によって大きな影響を受けた欧州もまた、この侵略行為に対処するための政策を実施している。欧州ビジネス協会(EBC)は、この地政学的状況が、志を同じくする国々の間での協力の深化を必要としていると考えている。日本により近い地域では、台湾に関する中国の発表に起因する緊張の高まりが、日本とヨーロッパに対し、ウクライナに対して示されたのと同様の強靭さと支援を示す必要性を強調している。自由なインド太平洋に対するいかなる脅威も真剣に受け止めなければならない。

東アジア地域を含む世界各地における国家による拡張主義の台頭と不確実性の増大、さらに米国本土重視へと傾く米国の外交政策の転換が相まって、日本の安全保障環境は大きく変化している。さらに、テロの脅威や非対称戦争の重要性の増大、そして陸海空の従来の領域に加えてサイバーや宇宙といった新たな安全保障領域の急速な出現は、国家安全保障がもはや従来の地政学的視点のみでは対応できず、個別の国々によって解決することが困難であることを示している。

こうした状況の下で、日本は自国の安全保障戦略の基本的かつ重要な部分として日米同盟を維持しつつ、国際協力の必要性が高まっており、広範なグローバルな安全保障関係の中で自らの位置を定め、二国間防衛協力の強化に焦点を当てている。具体的には、合同演習や能力向上支援、防衛装備・技術協力を含む様々の手段を適宜組み合わせることによって、伝統的な交流からより踏み込んだ協力へと、二国間防衛関係を段階的に発展させてきた。日本とEU、あるいは日本とインド太平洋地域の一部の加盟国との間の合同演習は、規則に基づく国際秩序を維持するための共通の見解を反映している。同時に、この地域の海洋安全保障を推進し、世界の海洋領域を伝統的・非伝統的な脅威から守り、平和で安定した海洋を通じた繁栄を促進する。

防衛装備・技術協力に関し、欧州は普遍的価値観を共有する日本の最も親密かつ古い同盟相手の一つとして極めて重要な役割を果たすとともに、グローバル領域における共通の安全保障上の課題について、中心的な役割を果たしつつ取り組んできた。日本の主要なパートナーであり続ける一方で、米国は、あらゆる場面で日本を必ずしも支持するわけではなく、防衛面での欧州とのより強い関係は、追加的な抑止力として、地域拡大主義の脅威への対処に前向きに貢献すべきである。また、防衛分野における欧州とのより緊密な協力は、公共調達における新たな機会を誘発し、産業間の連携を促進する可能性がある。

最近の動向として、2024年11月1日、日本とEUは新たな安全保障および防衛連携を発表し、これによりEUはインド太平洋地域の国との初のこうした協定を結んだことになる。このパートナーシップには、共同軍事演習、防衛産業の交流、サイバーセキュリティおよび宇宙防衛における協力が含まれている。日本とEUの両者は、中国、北朝鮮、ロシアを巡る地域的な緊張について懸念を表明し、安全保障および防衛における協力強化の必要性を強調した。

EBCはこうした二国間防衛協力を強化する流れを歓迎するとともに、日本政府が防衛装備面および技術面の協力を一層積極的に推進するよう期待している。これは、欧州企業が国際共同開発プログラムに参加する機会を開くだろう。さらに、加盟国間の防衛における産業協力を有利にし、特定の条件の下で日本のような第三者に開放するために欧州連合によって実施される新政策は、日本政府によって新たな有望な観点として探求されるべきである。

主要な問題および提案

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委員会ミーティングスケジュール

会議の開催場所については、 EBC ( ebc@ebc-jp.com) にお問い合わせください。

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2025