2022年2月24日以降、日本は、ウクライナにおける戦争が2022年の防衛白書においてインド太平洋地域に及ぼす潜在的に長期にわたる影響を強調した。言うまでもなく、欧州は侵略の影響を非常に大きく受けており、侵略に対処するための政策も実施してきた。EBCは、このような地政学的状況には、志を同じくする国々の協力を深めることが必要であると考えている。日本に近いほど、台湾との関係で中国の発表と緊張関係が高まっている。我々は、日本と欧州が、ウクライナに示されたものと同じ強靭性と支持を示す必要があると信じている。自由なインド太平洋に対するいかなる脅威も真剣に受け止めなければならない。
覇権主義の台頭と、東アジアを含む世界の一部地域における不安増大は、ここ数年の自国中心主義にシフトする米国の対外政策と相まって、日本を取り巻く安全保障環境を変化させてきた。さらに、テロや非対称戦争は重大さを増つつある一方、陸・海・空という伝統的な領域に加えて、サイバーや宇宙といった新しい安全保障領域の重要性が急速に浮上しつつある。この意味において、国家安全保障は伝統的な地政学的観点からだけではもはや対処・理解不可能であり、個々の国による解決も困難となっている。
かかる状況の下、日本は日米同盟を国家安全保障戦略の基本的かつ最も重要な要素として維持しつつも、益々高まる国際協力の必要性を認識して、二国間防衛協力の強化を主軸に置いた、より幅広いグローバルな安全保障関係の中に自らを位置づけようとしている。具体的には、合同演習や能力向上支援、防衛装備・技術協力を含む様々の手段を適宜組み合わせることによって、伝統的な交流からより踏み込んだ協力へと、二国間防衛関係を段階的に強化してきた。日本とEU、あるいは日本とインド太平洋地域の一部の加盟国との間の合同演習は、規則に基づく国際秩序を維持するための共通の見解を反映している。同時に、この地域の海洋安全保障を推進し、世界の海洋領域を伝統的・非伝統的な脅威から守り、平和で安定した海洋を通じた繁栄を促進する。
防衛装備・技術協力に関し、欧州は普遍的価値観を共有する日本の最も親密かつ古い同盟相手の一つとして極めて重要な役割を果たすとともに、グローバル領域における共通の安全保障上の課題について、中心的な役割を果たしつつ取り組んできた。日本の主要なパートナーであり続ける一方で、あらゆる場面で日本を必ずしも支持するわけではなく、防衛面での欧州とのより強い関係は、追加的な抑止力として、地域拡大主義の脅威への対処に前向きに貢献すべきである。また、防衛分野における欧州とのより緊密な協力は、公共調達における新たな機会を誘発し、産業間の連携を促進する可能性がある。日本は、新たな「国家安全保障戦略」を公表するとともに、本年末(2022年)までに「中期防衛力整備計画」及び「防衛計画の大綱」の見直しを公表し、国際協力の更なる機会を提供することとしている。
この点について、進展は顕著である。日本政府は、欧州諸国との防衛関係の発展に尽力しており、2013年には英国、2014年にはオーストラリア、2015年にはインド、2018年にはマレーシア、2021年にはインドネシアなどのEU加盟国以外との間で締結した協定に加え、2015年にはフランス、2017年にはドイツ、イタリアと防衛装備品の協力に関する多くの異なる二国間協定を締結している。いくつかのEU加盟国との定期的な「2 + 2」閣僚会議が緊密な関係に加わっている。2022年3月には、岸田内閣総理大臣がNATO本部を訪問し、6月にマドリッドで開催されたNATO首脳会議に参加した。
現在、オランダ、スペイン、スウェーデンなど、他の欧州諸国とも協定締結に向けた協議が行われている。また、ASEAN諸国のような、第三国市場での協業を視野に入れている日本企業は欧州企業に、、第三国市場での協業を打診している。しかしながら、このような二国間協定は存在するものの、現時点での協力プロジェクトは数少ないことに留意する必要がある。
EBCはこうした二国間防衛協力を強化する流れを歓迎するとともに、日本政府が防衛装備面および技術面の協力を一層積極的に推進するよう期待している。これは、欧州企業が国際共同開発プログラムに参加する機会を開くだろう。さらに、加盟国間の防衛における産業協力を有利にし、特定の条件の下で日本のような第三者に開放するために欧州連合によって実施される新政策は、日本政府によって新たな有望な観点として探求されるべきである。
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2023
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