電気通信機器

日本政府のICT(情報通信技術)戦略のもとでの構造改革は、高速・大容量ICTインフラの導入、通信コストの低下、電子商取引・電子政府の開発をサポートしてきた。

インターネットアクセス・コストは劇的に低下し、ブロードバンド・インフラへのアクセスに関しては日本は今や世界の先進国の仲間入りを果たしている。政府は、五輪に間に合うよう5Gを導入・運用する意向をすでに表明しており、携帯電話用途向けの帯域幅拡大のニーズ増大に応える最善の方法を検討している。これは、ビッグデータやモノのインターネットといった、より明白な電気通信分野に限らず、ヘルスケアや、地上ベース車両とドローンの両方に関する輸送等の分野も含んでいる。

EBCは、正式参加者として総務省情報通信審議会に貢献する機会を与えられていることに感謝するとともに、規格およびプラットフォーム開発への業界主導のグローバルなアプローチへの政府の全般的コミットメントを称賛する。製品承認手続を促進するためにすでにとられた重要な措置の第1は、2001年の、電気通信端末機器に関するEU日本相互承認協定(MRA)の締結、第2は、欧州で導入された供給者適合宣言(SDoC)に類似した、2004年の技術基準適合自己確認(SVC)の導入である。しかし、こうした重要な成果にもかかわらず、これまでの実施状況は期待外れとなっている。MRAのもとで指定された認定試験事業者の数は依然少なく、SVCの適用対象はまだ主として有線通信端末であり、無線機器への適用は限定されている。いくつかの付加的な製品がSVCの適用範囲に追加されてきたとはいえ、多くの製品はまだSVCの適用対象となっていない。

全世界の携帯電話加入件数は約79億件であり、このうち65億件はモバイルブロードバンドに接続しており、全体的なモバイルデータトラフィックは毎年倍増しつつある。高度データサービスやロング・ターム・エボリューション(LTE)の導入を特色とする成熟した市場と見なされる日本では、スマートフォンの普及率は約70%となっており、モバイルブロードバンドの成長を牽引している。日本は、モノのインターネット(IoT)や、高度道路交通システム(ITS)、5G向けの新しいワイヤレス技術を推進している。先進のワイヤレス技術は、ICTの革新的な利用を促進し、新興産業や経済成長に貢献しうる。

ビデオやソーシャルネットワークなど、スマートフォンで利用されるアプリおよびM2M通信は、ネットワークに異なる要求条件を課すことになる。日本は、IMTシステム用の周波数割当をグローバル・レベルで整合化する取り組みにおいて活発な役割を果たしてきた。総務省がとりわけ、24GHz帯以上のIMT用の整合のとれた新しい周波数特定(世界無線通信会議議題1.13)に関して、2019年世界無線通信会議(WRC-19)においてこの目標を支持するのに重要な役割を担ったことに注目する必要がある。これは、新しい電気通信機器のローカルバージョンを開発する必要性を排除することによって、IMT業界とその顧客に莫大な利益をもたらす。EBCはこの取り組みを強く支持するとともに、日本が引き続き、他の市場と整合のとれたWRC-19の成果に従い、新しい周波数割当の実現に取り組むことを期待する。

電気通信業界は、公正(Fair)、合理的(Reasonable)、かつ非差別的(Non-Discriminatory)な(FRAND)条件でライセンスする旨の意思表示を特許権者に課す、いわゆる標準必須特許(SEP)の対象となる技術標準に基づいている。特許庁は2018年に標準必須特許のライセンス交渉に関する手引きと標準必須性に係る判断のための判定手続を導入した。最近では、経済産業省も標準必須特許のライセンス交渉に関する独自の指針を2020年に起草し、2022年には策定した。また特許庁は2018年の手引きの更新を完成させた。日本の様々な機関の間で標準必須特許のライセンスの指針を調和させる必要性が高まっている。これらは今後つぶさに監視され、また、日本におけるグローバルな標準必須特許慣行を説明されなければならない。

主要な問題および提案

委員長

Mr. Yoshio Honda
General Manager, Standardization & Regulation,
Technology & Research
Ericsson Japan K.K.
MOMENTO SHIODOME
2-3-17 Higashi-Shimbashi
Minato-ku, Tokyo 105-0021
Tel: +81-3-6721-3300
Fax: +81-3-5408-9744

委員会ミーティングスケジュール

会議の開催場所については、 EBC ( ebc@ebc-jp.com) にお問い合わせください。

日付時間場所
2024年
12月12日(木)10:00~hybrid
2025年
3月27日(木)10:00~hybrid
6月19日(木)10:00~hybrid
9月25日(木)10:00~hybrid
12月11日(木)10:00~hybrid